家族がくつろぐ場所のフカフカとした絨毯や客間のカーペット、人が触れるもの見るものは綺麗にしておきたいですね。
しかし、使っていると、どうしてもホコリや服の繊維、絨毯の繊維同士が絡まったり、飲み物をこぼして汚れてシミになってしまったりと、見映えも悪く衛生的ではない状態になっていきます。
普段は掃除機をかける程度になっている方に、今回はいつもより少し手間をかけてお掃除する方法を紹介したいと思います。
カーペットや絨毯の汚れの種類
カーペットや絨毯は生活の中でどうしても汚れてしまうことが多いところです。
コーヒーやジュースをこぼしてしまったり、料理がこぼれてタレがついてしまったりと様々な汚れが蓄積されています。
何かをこぼしてしまった時に、しっかりと乾燥させなかったことが原因でカビが生えてしまっていることもあります。
また、人間やペットの毛が絡まることで毛玉ができたりします。
そういった汚れや毛が付着しているのを放置してしまうと、ダニやゴキブリなどの害虫が餌として毛を食べにやってきて不衛生な状態になってしまいます。
このように絨毯やカーペットには様々な汚れがあります。それぞれの汚れによって適した洗い方をすることが大切です。
各素材の紹介
カーペットや絨毯には様々な素材の種類がありますが、それぞれの素材に特性があります。それぞれの素材の特性と掃除法を紹介したいと思います。
羊毛(ウール)
羊の毛から作られているものです。
表面に人間と同じうろこ状のキューティクルがあるため汚れが付きにくい構造が特徴です。
夏には吸湿、冬には湿度を放出することのできる調湿機能を備えている素材なので春夏秋冬に適合することのできるカーペットと絨毯の代表的な素材です。
掃除機をかける時には、繊維に沿って掃除機をかけることで遊び毛と共にホコリなどの汚れを吸い取ることができます。
何かをこぼしてしまった時には乾いた布でつまむように拭き、その後に濡れた布でつまみ拭きします。
絹(シルク)
蚕の繭から作られている繊維で、細くツヤのある美しい光沢のある素材です。
高級品の素材として使われることが多く、高価な素材ですが手入れをしっかりとすることによって長期間使用することのできる優れた素材です。
普段の掃除の時にはやわらかい箒を使って優しくホコリや遊び毛を取ります。
しっかりとした掃除をしたいときには業者に頼んで清掃してもらいます。
竹(バンブー)
夏場の家庭でよく見る竹で作られた繊維です。
触るとひんやりとした素材で、熱をためないので夏場の部屋にピッタリな素材です。普段の掃除も、こぼしてしまった時にも水で拭くことができます。
アクリル
化学繊維の代表のアクリルは虫、カビ、薬品などに対抗力をもった優れた素材です。
吸湿性が非常に低いため、何かをこぼしてしまった時にすぐ洗うことのできるのでシミを防ぐことのできる素材です。
ナイロン(BCFナイロン)
カーペットの素材として多く使われているBCFナイロンです。
オフィスなどの人が多く通る場所で使われていることから耐久性と摩擦に対する強さがあります。
こちらの繊維もアクリルと同様、防水性があるため水をつかった掃除がしやすいため、何かをこぼして汚してしまったとしても、水を使って汚れを浮かし、吸い取ることでお掃除できます。
また、薬品に対抗力があるので自宅で洗剤を使った丸洗いをすることも可能です。
代表的な素材はこれだけあるのですが、それぞれの特徴を理解して使用に適した素材を選ぶことが大切だということがわかります。
お子様の部屋やリビングなど、何かをこぼす確率が高い場所だと、化学繊維を使った洗いやすい素材のカーペットや絨毯を使い、シルクやウールは客間などで使うなど、使用方法によって素材を変えることがオススメです。
掃除機を使って掃除の準備をする
まず、絨毯やカーペットを掃除するとなると基本は掃除機を使って大きな汚れを取ることができます。
ホコリやダニ、小さなゴミや食べかすなどを吸い取ることで後の掃除が楽になるので、あらかじめ掃除機をかけておきます。
ポイント
掃除機のかけ方のコツ
1,動かく距離は短く
基本的には身長の半分の長さです。身長160cmなら80cmです。早く終わらせようと距離を伸ばすと、ノズルの先端が浮いてしまい床面に密着しないことで効率が悪くなります。
2,ゆっくりと動かく
掃除機を押したり引いたりと早く動かすと、絨毯の奥のゴミやホコリは吸い取れません。表面でだけではなく奥の汚れを吸い取るために、ゆっくりと動かします。
3,十字に掃除機をかける
一つの方向からだけだと絨毯の奥のホコリやゴミは吸い取れません。縦からかけたら次は横からかけるようにすると、一方向ではキャッチできなかったゴミやホコリまで吸い取ることができます。
用意する掃除道具
掃除機だけでは吸い取れない、繊維が絡まっているホコリやゴミ、奥深くに溜まった髪の毛、シミなどの汚れは下記の掃除道具を使ってキレイにします。
- ★掃除機
- どのご家庭にもあるので、カーペット、絨毯の掃除にも活躍します。
- ★ゴム手袋とシリコンやゴム製のブラシ、コロコロ
- 100均で購入することができるもので大丈夫です。
- ★重曹
- 消臭、除菌効果のある重曹も多めに購入しておきます。
- ★中性洗剤
- キッチンなど洗い物に使っているもので大丈夫です。
- ★歯ブラシ、タオル
- 洗剤をしみこましたりふき取る時に使用します。
掃除機で吸い取れない汚れは、ブラシ・コロコロ・ゴム手袋を使う
毛玉などの汚れが吸い取れないときは繊維に絡まっていることが原因なので、絨毯のブラシなどを使い繊維とホコリや毛などを分離させましょう。
コロコロを使うことによって時間短縮することもできます。
その状態で掃除機をかけることによってさらに綺麗に仕上げることができます。
また、ゴム手袋をつけてこすることで、細かいゴミ通しがくっついて回収することができます。
この方法はブラッシングや掃除機をかけるよりもゴミが舞うことがないので、アレルギー性鼻炎などホコリに敏感な人はこの方法で大まかな汚れを取る方が良いかもしれません。
シャワーブラシで毛の奥の汚れを掻き出して掃除
掃除機をかけることによって表面は綺麗に見えますが、実は絨毯やカーペットの毛の奥には髪の毛やゴミが溜まっています。これは100円ショップなどのシャワーブラシを使います。
シャワーブラシを使ってゴシゴシするだけで、毛の奥に溜まっている汚れを掻き出すことができます。掻き出した汚れは掃除機で吸い取ります。
臭いが気になるときは、重曹を使って消臭する
重曹を使うことによって、カーペットの消臭をすることができます。
方法はカーペットや絨毯に重曹を全体に振りかけ、ゴム手袋などでなじませます。あとは掃除機をかけるだけです。
重曹を使わないで掃除していた時よりも嫌な臭いが格段に減ります。
カーペットの種類によっては色落ちする可能性があるため、気にならない部分に重曹をかけてチェックをしてから実行してください。
洗剤を使ってシミを吸い出す
シミがついてしまった時には、中性洗剤を5倍から10倍に薄めたものを歯ブラシなどを使い汚れに向かって染み込ませます。
すると汚れが浮いてくるので濡れたタオルで拭くという作業を繰り返します。
また、定期的な掃除にも使うことができ、タオルに薄めた洗剤を付け繊維に沿るように軽く表面を拭きます。
この時あまり多くつけてしまうと洗剤を取る時に大変になるので、あまり塗らないよう少量にします。
最後に濡れたタオルで洗剤をしっかりと拭き取りましょう。
あとは自然乾燥で乾くのを待ちます、湿度の高い時などはカビてしまう原因にもなるのでドライヤーなどで距離を置いて乾かします。
絨毯やカーペットがクサくて臭う場合
絨毯やカーペットの臭いがきつくなる原因としては、汚れが腐っていることが原因です。
ジュースなどの飲み物をこぼした後、しっかりと吸い出してふき取ることができないと細菌が繁殖してカビができてしまい、絨毯がカビ臭くなってしまいます。
表面上は綺麗でも裏返してみてみると真っ黒なカビが一面に広がっているということも珍しくありません。
絨毯やカーペットは布で出来ているので、水分は吸い込まれどんどん下に行きます。
結果的に見えない場所で汚れが広がっていくので、ぱっと見た感じで綺麗でもしっかりと汚れているので臭いがきつくなってしまうのです。
このクサイ臭いには、重曹を使って対処します。
掃除機のかけ方でも紹介した重曹ですが、何かをこぼしてしまった時についた時の消臭法にも使うことができます。
嘔吐物などの強烈な臭いも消すことができ、方法も簡単です。
- 臭いの原因となっているカーペットや絨毯に重曹を振りかけ一晩ほど寝かせます。臭いが特に強い場所には他よりも多めにかけます。
- あとは翌朝に掃除機をかけ、晴れている日に太陽で干せば消臭完了です。
徹底的に掃除するなら、丸洗いする
時間はかかりますが、上記の掃除方法と合わせることで最もキレイにできる方法です。ここではカーペットや絨毯を丸洗いする方法を紹介します。
実行に移す前に1つチェックしなければいけない大切なことがあります。その絨毯、カーペットは水洗いできるかどうかタグを見て確認してください。
こちらのタグマークは水洗いできないものとなっています。このマークを見つけたときには自宅で洗うことはあきらめる必要があります。
丸洗いできない場合は、ドライクリーニングをすることができるのでクリーニング店に持ち寄ることをオススメします。
洗うことができるものだった場合このまま読み進んでください。
1、洗い場を確保する
カーペットや絨毯の掃除は場所が必要ですので、駐車場などのコンクリートを軽く掃き掃除してある程度綺麗な状態にしたら、その場所を使って丸洗いを開始します。
2、水をかけて最初の濯ぎをする
まずは洗う絨毯とカーペットを敷き、水をバケツやホースで思い切ってかけます。そうすると、黒い水になることもありますが、気にせずに水をかけ続け、汚れた水が透明になるまで水をかけ続けます。
3、洗剤を使い十分に汚れを落とす
水を十分に含んだら、中性洗剤を少しかけて床洗い用のブラシで汚れている部分を重点的にゴシゴシとこすります。
洗剤は量が少ないなと感じたら少し足す程度にしておきます。あまり多く洗剤をかけてしまうと濯ぐのが大変になってしまうので、少ない洗剤で洗うことが良いです。
4、洗剤と汚れをたっぷりの水でしっかり濯ぐ
洗い終えたら、ホースで水をたっぷりかけて洗剤と汚れを十分に洗い流します。そして十分に濯ぐことができたら、水をきって少し時間を置きます。
丸洗い後は三角干しで早く乾かす
ほし竿や近場のフェンスなどに三角干しにします。頂点に水が流れるようになり、水のハケが良い干し方です。
水分を含んだ絨毯やカーペットはかなり重いので、手伝ってもらいながらかけたほうが良いです。一人で干す際には、濡れてもいい服を着るなどして担ぐように運びます。
自然乾燥なので、雨の日は避けて天気予報などで翌日も晴れている日に丸洗いを実行したほうが良いです、せっかく洗ってきれいになった絨毯やカーペットが雨でまた汚れてしまうのは避けましょう。
使わないカーペット、絨毯の保管の準備と場所
シーズンごとに模様替えとして絨毯やカーペットを変えているご家庭だと保管方法に悩まれることがあると思います。
保管する前に必要な作業として、ホコリを取ったり汚れを落とす必要があります。一番良いのは丸洗いしてしっかりと乾燥した状態で保管することです。保管の方法は簡単で、グルグルと丸めておくだけです。
保管の方法よりも大切になってくるのは保管場所です。
絨毯等に関わらず布製品を保管する場合は、湿気が多い場所や風通しの悪い場所は避ける必要があります。また形が崩れる原因にもなるので、丸めた状態で立てずに間違っても絨毯とカーペットの上に荷物は置かないようにします。
風通しの良い場所において掃除した綺麗な状態で保管します。シーズンが変わり、またその絨毯やカーペットを使う機会がある時は一度また洗ってから使うと使い心地が良いと思います。
絨毯やカーペットの汚れ応急処置
何かをこぼしてしまった時に適切な方法で汚れを吸い出すと、目立たないばかりか汚れが広がらない状態にまで取り除くことができるので応急処置は覚えておくと便利です。
醤油やコーヒーをこぼしてしまった時
醤油やコーヒーなどの色の強いものは、まずはティッシュや乾いたタオルなどで手早く吸い取り、薄めた中性洗剤が染みたタオルなどで叩くように拭きます。
色もすぐに抜ける場合もあるので色が強いものをこぼした場合はこの方法が有効です。
ケガをして血液がついてしまった時
何かケガをして血液がついてしまったときは、すぐに固まってしまう前に、オキシドールを浸した布でたたくように吸い取ることができます。
オキシドールがない場合は消毒用のエタノールを代用することも可能です。
ペンのインクがついてしまった時
ペンのインクなどをこぼしてしまった場合は、水を浸したタオルなどを使い色を抜けるだけ抜きます。
すぐに対処すれば放置するよりも汚れ具合が全然ちがうのですぐに対処します。
すぐに対処することで、絨毯やカーペットの寿命が長くなることにも繋がるので焦ることなく適切な処置をしましょう。
こぼしたものが液体だった場合は水分を含んだ布で叩くだけでも全然見映えが変わるので面倒臭がらずに吸い出すことが大切です。
まとめ
一見手間がかかりそうな絨毯やカーペットの掃除ですが、しっかり素材の特性を理解することで正しい掃除、お手入れをすることが可能です。
また、何かをこぼしてしまった時にもそれぞれに適したシミの取り除き方があるので焦らずにする対処することによって、綺麗な絨毯、カーペットを長く使うことができます。
家族が使う大切な家具なのでしっかりとお手入れしてずっと使いましょう!